2026.10.07

Excel・Word・PowerPoint・PDFにパスワードをかける方法【開く・編集の違いも解説】

はじめに

取引先に送る見積書や、個人情報の入った名簿など、「このファイルは関係者以外に見られたくない」という場面はよくあります。Excel・Word・PowerPoint、そして PDF には、ファイルそのものにパスワードをかける機能があります。

この記事では、それぞれのパスワードのかけ方と外し方を、手順を追ってまとめました。画面の名前は Windows の Microsoft 365 版(2026 年 10 月時点)を前提にしています。バージョンによって表示が少し違うことがあります。

先に知っておきたい 2 つのこと

「開けなくする」と「編集だけ止める」は別物

パスワードには大きく 2 種類あります。ひとつはファイルを開くときに求められるパスワードで、ファイルの中身そのものが暗号化されます。パスワードを知らない人は中身を一切見られません。

もうひとつは、Excel の「シートの保護」や Word の「編集の制限」のような編集だけを止める保護です。こちらは中身を見ることはでき、うっかり書き換えるのを防ぐためのものです。暗号化ではないので、見られたくない情報を守る目的には向きません。

パスワードを忘れると、作った本人でも開けません

開くときのパスワード(暗号化)は、忘れると Microsoft にも Adobe にも解除できません。パスワードはパスワード管理ソフトなど、安全な場所に必ず控えておきましょう。

Excel にパスワードをかける

開くときのパスワードをかける(暗号化)

  1. パスワードをかけたいブックを開く
  2. 「ファイル」タブ →「情報」を開く
  3. 「ブックの保護」→「パスワードを使用して暗号化」を選ぶ
  4. パスワードを入力して「OK」、確認のためもう一度入力して「OK」
  5. ブックを上書き保存する(保存して初めてパスワードがかかります)

次に開くときから、パスワードの入力を求められるようになります。Office 2013 以降は、AES の 256 ビット鍵という強力な方式で暗号化されます。

編集だけ制限したいとき

「見るのは誰でもよいが、書き換えはさせたくない」ときは、保存時の「全般オプション」で書き込みパスワードを設定します。

  1. 「ファイル」→「名前を付けて保存」→「参照」で保存ダイアログを開く
  2. ダイアログ下部の「ツール」→「全般オプション」を選ぶ
  3. 「書き込みパスワード」を入力して「OK」(ここで「読み取りパスワード」を入れると、開くときのパスワードになります)
  4. 確認のパスワードを入力して保存する

書き込みパスワードを知らない人は、「読み取り専用」で開くことになります。特定のシートの数式だけ守りたい場合は、「校閲」タブ →「シートの保護」も使えます(どちらも暗号化ではありません)。

パスワードを外すには

パスワードを入れてブックを開き、かけたときと同じ「ファイル」→「情報」→「ブックの保護」→「パスワードを使用して暗号化」を選びます。入力欄の文字をすべて消して「OK」を押し、上書き保存すれば外れます。

Word にパスワードをかける

開くときのパスワードをかける(暗号化)

  1. パスワードをかけたい文書を開く
  2. 「ファイル」タブ →「情報」を開く
  3. 「文書の保護」→「パスワードを使用して暗号化」を選ぶ
  4. パスワードを 2 回入力して「OK」
  5. 文書を上書き保存する

編集だけ制限したいとき

Excel と同じく、「名前を付けて保存」のダイアログで「ツール」→「全般オプション」から書き込みパスワードを設定できます。また「校閲」タブの「編集の制限」を使うと、「コメントだけ許可する」「変更履歴を残す場合だけ編集を許可する」といった細かい制限もかけられます。

パスワードを外すには

文書を開いて「ファイル」→「情報」→「文書の保護」→「パスワードを使用して暗号化」を選び、入力欄を空にして「OK」、上書き保存します。

PowerPoint にパスワードをかける

開くときのパスワードをかける(暗号化)

  1. パスワードをかけたいプレゼンテーションを開く
  2. 「ファイル」タブ →「情報」を開く
  3. 「プレゼンテーションの保護」→「パスワードを使用して暗号化」を選ぶ
  4. パスワードを 2 回入力して「OK」
  5. プレゼンテーションを上書き保存する

編集だけ制限したいとき・外すとき

編集の制限は、Excel・Word と同じく「名前を付けて保存」→「ツール」→「全般オプション」の書き込みパスワードで行います。パスワードを外すときも、同じ「パスワードを使用して暗号化」の画面で入力欄を空にして保存します。

なお、パスワードで暗号化したファイルは、ブラウザ版の Office(Office for the web)では開けません。受け取った相手にはデスクトップ版のアプリで開いてもらう必要があります。

PDF にパスワードをかける

PDF には、開くときのパスワード(文書を開くパスワード)と、印刷や編集を制限するパスワード(権限パスワード)の 2 種類があります。無料で手軽にかけたいなら、Office から PDF にするタイミングでかけるのが簡単です。

Word・PowerPoint から PDF にするときにかける(無料)

  1. 「ファイル」→「エクスポート」→「PDF/XPS ドキュメントの作成」を選ぶ
  2. 保存ダイアログの「オプション」を開く
  3. 「ドキュメントをパスワードで暗号化する」にチェックを入れて「OK」
  4. 「発行」を押すとパスワードの入力を求められるので、2 回入力する

ここでかけられるのは開くときのパスワードです。お使いの版やアプリ(Excel など)によっては、この項目が表示されないことがあります。その場合は次の方法を使ってください。

Adobe Acrobat(有料版)でかける

有料の Adobe Acrobat では、「すべてのツール」→「保護」→「パスワードを使用して保護」から設定できます(以前の版では「ツール」→「保護」→「暗号化」)。開くときのパスワードのほか、印刷・編集・内容のコピーを制限する権限パスワードもかけられます。

無料の Adobe Acrobat Reader ではパスワードをかけられません。パスワード付きの PDF を開くことはできます。

Mac なら「プレビュー」でかけられる

Mac に標準で入っている「プレビュー」アプリでも、PDF を開いて「ファイル」→「書き出す」から、パスワード付きで保存できます。macOS のバージョンによって、ダイアログの「暗号化」にチェックを入れる形と、「アクセス権」から開くときのパスワードを設定する形があります。

オンラインの PDF サービスは慎重に

ブラウザでファイルをアップロードしてパスワードをかけるサービスもありますが、ファイルを外部のサーバーに預けることになります。見られたくないからパスワードをかけるのに、その中身を第三者に送ってしまっては本末転倒です。機密性の高いファイルには、手元のアプリでかける方法をおすすめします。

パスワードの決め方と渡し方

推測されにくいパスワードを使う

せっかく暗号化しても、「1234」や会社名、日付のようなパスワードではすぐに破られてしまいます。目安は 12 文字以上で、英大文字・英小文字・数字・記号を混ぜたものです。

当サイトのパスワード生成ツールを使えば、文字数や記号のあり・なしを選ぶだけで、ランダムなパスワードをその場で作れます。作ったパスワードはブラウザの中だけで作られ、どこにも送信されません。

パスワードは「別の経路」で伝える

パスワード付きのファイルをメールで送り、続けて同じメールアドレスにパスワードを送る方法(いわゆる PPAP)は、メールを見られてしまえば両方とも手に入るため、守りとしてはほとんど効きません。政府でも 2020 年にこの方法をやめる方針が示されています。

パスワードは、電話・チャットツール・ショートメッセージなど、ファイルとは別の経路で伝えましょう。そもそもファイルを共有ストレージ(OneDrive・Google ドライブなど)に置き、相手を指定して共有する方法も安全で手軽です。

  • パスワードは別の経路で伝える(同じメールで送らない)
  • ファイルごとに別のパスワードにする(使い回さない)
  • 自分用の控えはパスワード管理ソフトに残しておく

まとめ

最後に、それぞれのかけ方を一覧にしておきます。

ファイル開くときのパスワード編集だけ制限
Excelファイル → 情報 → ブックの保護 → パスワードを使用して暗号化全般オプションの「書き込みパスワード」/校閲 → シートの保護
Wordファイル → 情報 → 文書の保護 → パスワードを使用して暗号化全般オプションの「書き込みパスワード」/校閲 → 編集の制限
PowerPointファイル → 情報 → プレゼンテーションの保護 → パスワードを使用して暗号化全般オプションの「書き込みパスワード」
PDFOffice から書き出すときに暗号化/Acrobat(有料版)/Mac のプレビューAcrobat(有料版)の権限パスワード

「中身を見られたくない」なら開くときのパスワード(暗号化)、「書き換えさせたくないだけ」なら編集の制限、と使い分けるのがポイントです。パスワードを作るときは、ぜひパスワード生成ツールも使ってみてください。

TFT
soflan54本の記事