2026.10.30

【2026年版】2段階認証の種類と強さを比較|SMS・認証アプリ・パスキーの違いとGoogle・Appleアカウントの守り方

はじめに

「2 段階認証を設定しているから大丈夫」と思っていても、方式によって強さはかなり違います。2025 年に相次いだ証券口座の乗っ取りでは、パスワードと一緒に SMS や認証アプリのコードまで偽サイトに入力させる手口が使われました。

また 2026 年 10 月には、SBI 証券や SMBC 日興証券が「パスキーを保存している Google アカウントや Apple Account を乗っ取られると、パスキーで不正にログインされるおそれがある」と注意を呼びかけています。

この記事では、2 段階認証の種類ごとの強さと弱点を比べ、いちばん大事な Google アカウントと Apple Account の守り方を手順でまとめました。パスキーのしくみは【2026年版】パスキーとは?仕組みを図解で説明しています。

2 段階認証とは

ログインのときに、種類のちがう 2 つのもので本人かどうかを確かめるしくみです。

  • 知っているもの:パスワード、PIN
  • 持っているもの:スマホ、セキュリティキー
  • 自分の体:指紋、顔

パスワードが漏れても、もう 1 つがなければログインできない、というのがねらいです。ただし、もう 1 つのほうも盗まれたり、だまし取られたりすることがあります。それが方式ごとの差になります。

種類ごとの強さの比較

方式しくみ偽サイト(リアルタイムフィッシング)主な弱点強さ
メールのコードメールに届く数字を入力突破されるメールのアカウントが乗っ取られると意味がない△
SMS のコード携帯電話に届く数字を入力突破されるSIM の乗っ取り(SIM スワップ)、偽サイトへの入力△
認証アプリアプリに出る 30 秒ごとの数字を入力突破される偽サイトへの入力○
プッシュ通知スマホに出る「ログインしますか?」を承認突破されることがある通知を何度も送って承認させる「MFA 疲れ」○
パスキー端末の指紋・顔・PIN で署名使えない(安全)保存先のアカウントの乗っ取り◎
セキュリティキーUSB・NFC の鍵をタッチ使えない(安全)なくすと困る(予備が必要)◎

いちばん大きな差は、偽サイトに入力させる手口(リアルタイムフィッシング)に耐えられるかです。コードを入力する方式は、攻撃者が偽サイトで受け取ったコードをすぐ本物のサイトに入力すれば突破されます。パスキーとセキュリティキーは、作ったサイトのドメインとセットなので、偽サイトでは使えません。

方式ごとの弱点

SMS・メールのコード

  • 偽サイトに入力すれば盗まれます。コードの有効期限は数分ありますが、攻撃者は自動ですぐに使います
  • SMS は、携帯電話会社の手続きで SIM を乗っ取る「SIM スワップ」で、攻撃者のスマホに届くようになることがあります
  • メールのコードは、メールのアカウント自体が乗っ取られると意味がなくなります。だからこそ、メール(Google アカウントなど)を最初に固めることが大切です

それでも、2 段階認証を何もしないよりはずっと安全です。ほかの方式が選べないサービスでは、SMS でも設定しておきましょう。

認証アプリ

  • Google Authenticator や Microsoft Authenticator などのアプリに、30 秒ごとに変わる 6 桁の数字が出ます
  • SIM の乗っ取りには強いですが、偽サイトに数字を入力すれば突破されます
  • 機種変更のときにアプリのデータを移し忘れると、ログインできなくなります。バックアップコードは必ず保管しておきましょう

プッシュ通知

  • スマホに「ログインしようとしていますか?」と出て、承認を押すだけの方式です
  • 攻撃者がパスワードを知っていると、承認の通知を何度も送りつけて、うっかり押させる「MFA 疲れ(MFA 爆撃)」という手口があります
  • 画面に出た数字をスマホで選ぶ方式(番号の一致)なら、うっかりの承認を防ぎやすくなります
  • 自分がログインしていないのに通知が来たら、承認せずにパスワードを変えましょう。パスワードが漏れているサインです

パスキー・セキュリティキー

  • 偽サイトでは使えないので、リアルタイムフィッシングに強い方式です
  • ただし、同期するパスキーは、保存先の Google アカウント・Apple Account が乗っ取られると使われてしまいます
  • 「パスキーを再登録して」と言われて、攻撃者の端末にパスキーを登録させられる手口にも注意が必要です
  • セキュリティキーは、なくしたときのために予備を 1 本登録しておくのが基本です

Google アカウントの守り方

Google アカウントは、Gmail だけでなく、Google パスワードマネージャーに保存したパスワードとパスキーの保存先でもあります。ほかのサービスのアカウントの「親鍵」と考えて、いちばん強く守りましょう。設定はすべて、ブラウザで Google アカウントの管理画面(myaccount.google.com)の「セキュリティ」から行えます。

  1. 2 段階認証プロセスをオンにする。方式は、パスキーかセキュリティキーを第一にし、Google からのプッシュ通知(Google のメッセージ)や認証アプリを予備にします
  2. パスキーを作る。「パスキーとセキュリティキー」から作れます。作ったあとは、ログインのときにパスワードを入れずに済みます
  3. バックアップコードを作って保管する。紙に印刷するか、別のパスワード管理に入れておきます
  4. 復旧用の電話番号とメールアドレスが、今も自分のものかを確かめる。古い番号や使っていないメールは消します
  5. 「お使いのデバイス」で、ログインしている端末を確かめる。見覚えのない端末はログアウトさせます
  6. 「セキュリティ診断」を開き、出てくる注意をひととおり片付ける

狙われやすい立場の人(会社の管理者や、大きな資産を扱う人など)は、セキュリティキーかパスキーが必須になる「高度な保護機能プログラム」も検討できます。

Apple Account の守り方

Apple Account は、iCloud キーチェーン(パスワードとパスキーの保存先)や、iPhone を探す、iCloud のバックアップにつながっています。iPhone では「設定」→ いちばん上の自分の名前 →「サインインとセキュリティ」から設定します。

  1. 2 ファクタ認証がオンになっているかを確かめる(今の Apple Account は、ほとんどがオンです)
  2. 「信頼できる電話番号」が今も自分の番号かを確かめる。古い番号は消し、家族の番号などを予備に足しておきます
  3. セキュリティキーを登録する(任意)。登録すると、新しい端末でのサインインにキーが必要になり、コードをだまし取る手口に強くなります。2 本以上の登録が必要です
  4. アカウントの復旧の方法を確かめる。「復旧連絡先」(信頼できる家族や友人)を設定しておくと、自分で入れなくなったときに助かります。「復旧キー」は強い方法ですが、なくすと Apple でも戻せないので、使うなら確実に保管します
  5. 設定の画面のいちばん下にある端末の一覧で、見覚えのない端末がないかを確かめ、あれば削除する
  6. 画面ロックのパスコードを推測されにくいものにする。パスコードを知られると、Apple Account のパスワード変更などにも使われることがあります

どのサービスでもやっておきたいこと

  • Google・Apple・メールのアカウントを先に固める。ほかのサービスのパスワード再設定はメールで行われるので、ここが入口になります
  • 使えるサービスでは、パスキーかセキュリティキーを選ぶ。選べないときは認証アプリ、それもなければ SMS
  • 身に覚えのないログインの承認やコードの問い合わせには応じない。「サポート担当です、届いたコードを教えて」は必ず詐欺です
  • 「パスキーを再登録して」「認証の設定を更新して」という SMS・メール・電話のリンクは開かない。公式のアプリやブックマークから自分で開く
  • パスワードはサービスごとに別のものにし、パスワード管理(ブラウザやアプリ)に覚えさせる
  • パスキーに切り替えたサービスで、パスワードでのログインを止められるなら止める

まとめ

  • 2 段階認証は方式で強さが違う。コードを入力する方式(SMS・メール・認証アプリ)は、偽サイトに入力すれば突破される
  • パスキー・セキュリティキーは偽サイトでは使えない。選べるならこれが第一
  • パスキーの保存先になる Google アカウント・Apple Account は、2 段階認証、復旧用の連絡先、登録端末を見直して最優先で守る
  • 身に覚えのない承認やコードの依頼には応じない

偽サイトがどうやってコードを横取りするのかは【2026年版】リアルタイムフィッシング(AiTM)とデバイスコードフィッシングの仕組み、ゲームのアカウントの守り方は【2026年版】Steam・Riot・Discordのアカウント乗っ取り対策にまとめています。

参考

各社の公式のお知らせ・ヘルプと、国内の報道(2026 年 10 月 30 日時点)をもとにまとめています。設定の画面の名前は、OS やアプリの版によって少し違うことがあります。

お客さまへのお知らせ(2026 年 10 月 6 日・パスキーと Apple Account・Google アカウントの不正利用) - SMBC日興証券

「パスキーだから安心」が危ない? SBI証券が警告したGoogle・Appleアカウント経由の口座乗っ取り - @IT

2 段階認証プロセス - Google アカウント ヘルプ

Apple Account の 2 ファクタ認証 - Apple サポート

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